地方で増える私立大学の公立化、公立大学はここ30年で3倍近くに

少子化が進む中、学生募集停止に踏み切った大学の話題を耳にする一方、大学の設置数は増えています。

公立大学に注目してみると、1955(昭和30)年の公立大学数は34、以後30年間の学校数はほぼ横ばいでした。それが1990年以降に一気に増加、公立短期大学を四年制化などもあり、2000年に72校、2010年には95大学となりました。

2022年4月には公立大学法人周南公立大学の設立が認可された徳山大学が、周南公立大学として開学、2023年4月には旭川大学(学法人旭川大学)が公立化され、旭川市立大学として開学、現在、公立大学は97校(大学院大学を除く)となっています。

公立大学が増加した主な理由としては、

(1)確保が困難な看護系人材を自治体が育てるため、看護学部を持つ大学を開設
(2)経営難に苦しむ私立大学が公立大学に移行、の2点があると言われています。

公立大学には自治体経由で運営交付金が給付されるため、私立大学に比べ授業料が安くすみます。また、地元へ進学すれば自宅から通えるなど、生活にかかる費用も軽減できます。受験生の地元志向を促す材料となっていますが、少子化の流れは止まることがない状態で自治体の財政悪化も予想され、今後も公立大学の設置が増えるかどうかは推移を見守る必要があると思われます。

公立大学 基本データ

項目データ
大学数101校
学生数143,513人
入学者数34,679人

公立大学の設置が最も多いのは北海道。設置がない地域は4県です(栃木県、徳島県、佐賀県、鹿児島県)。公立大学の学部別調査。入学者が最も多いのは経済学部(2,702人)。以下、工学部(2,561人)、看護学部(2,359人)と続いています。

データ参照(まとめ):「令和4年度学校基本調査」(文部科学省)

※上記データは令和4年度学校基本調査を反映しているため、現在、ナレッジステーションで掲載する学校数とは相違があります。また、学校基本調査に大学として計上している大学院大学はナレッジステーションの大学では案内しておりません。

関連ホームページ:外部情報 1

令和4年度公立大学便覧 一般社団法人公立大学協会
大学入学共通テスト  (大学入試センター
大学入試情報提供サイト  (文部科学省

・公立化した大学を年代順にあげれば、2009年に高知工科大学、2010年に名桜大学と静岡文化芸術大学、2012年に公立鳥取環境大学、2014年に長岡造形大学、2016年に山陽小野田市立山口東京理科大学と福知山公立大学、2017年に長野大学となる。  アルカディア学報No.622から日本私立大学協会

関連ホームページ:外部情報 2

令和4年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要
大学志願者数、総合型選抜及び学校推薦型選抜の設置者別、入学者など「令和4年度入学者の選抜」結果で、データは令和5年1月25日、文部科学書より発表になったものです。

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