
ks編集note > なぜ、合格を「桜咲く」というの?「富士山頂 征服す」の表現なども
合格しました!
受験生であれば誰もがつかみたい「合格」の二文字。学校や塾、受験シーズンになると「めざせ合格」の言葉が予備校をはじめ町中にあふれます。デザインには桜があしらわれていることが多いような? 合格と「桜」。一体どのような関係があるのでしょうか。
合格と桜のルーツ調べ
1956年(昭和31年)にまでさかのぼる話。
この当時、地方の学生が東京の大学を受験する場合、試験を受けに東京へ行くことはしても、合格発表のために足を運ぶ人は多くはありませんでした。今のようにホームページで確認することの叶わなかった時代に、遠方の人たちに試験結果の合否を伝える方法はないものか?
そこで早稲田大学が行ったのが「合格電報」です。合格ならば「サクラ サク(桜 咲く)」、不合格ならば「サクラ チル(桜 散る)」(または「イナホ チル(稲穂 散る)」)を電報の文句として使いました。
このことが次第に他大学へ広まり、後には大学によって特色のある文句も生まれたといいます。
(参照:合格電報-Wikipedia)
合格の文句、サクラ以外のいろいろ
●東京大学
合格は「アカモンヒラク」
(赤門開く)
不合格は「イチョウチル」
一次試験不合格:「ウメノハナチル」
(梅の花散る)
●お茶の水女子大学
合格は「オチャカオル」
(お茶香る)
不合格は「コノメドキマテ」
(木の芽時待て)
●静岡大学
合格は「フジサンチョウセイフクス」
(富士山頂 征服す)
不合格は「スルガワンイマダナミタカシ」
(駿河湾未だ波高し)
●東京商船大学(現・東京海洋大学)
合格は「トラトラトラ」
不合格は「チンボツ(沈没)」
●日本女子大学
合格は「メジロダイニサクラサク」
(目白台に桜咲く)
不合格は「ハルマダトオシ サイキヲキセ」
(春まだ遠し 再起を期せ)
●早稲田大学
合格は「シゲノブコウホホエム」
(重信公微笑む)
「イナホミノル」
(稲穂実る)
「サクラサク」
(桜咲く)
不合格は
「イナホチル」
(稲穂散る)
「サクラチル」
(桜チル)
「ハルマダトオシ サイキヲキセ」
(春まだ遠し 再起を期せ)
●北海道大学
合格は「エルムハマネク」
(エルムは招く)
不合格は「ツガルカイキョウ ナミタカシ」
(津軽海峡 波高し)
※エルム – Wikipedia
●小樽商科大学
合格は「アカシアノハナガサク」
(アカシアの花が咲く)
不合格は「ジゴクザカコロゲオチル
(地獄坂転げ落ちる)
「アカシアノハナガチル」
(アカシアの花が散る)
●弘前大学
合格は「ミチノクノハルキタル」
(みちのくの春来る)
不合格は「ツガルノユキフカシ」
(津軽の雪深し)
●秋田大学
合格は「オバコワラウ」
(おばこ笑う)
「ナマハゲカンゲイスル」
(ナマハゲ歓迎する)
不合格は「オバコヒトリネアキタ」
(おばこ独り寝飽きた)
●山形大学
合格は「ジュヒョウカガヤク」
(樹氷輝く)
不合格は「ガッサンシンドウツウコウドメ」
(月山新道通行止め)
●千葉大学
合格は「ボウソウノウミハ ハルヲツゲ キミヲマツ」
(房総の海は春を告げ、君を待つ)
不合格は「ナリタクウコウ キリフカシ」
(成田空港 霧深し)
その他、大学別に合格を意味するいろいろな文句がありそうです。
「こんな電文ありますよ!」―ご承知の場合は、ぜひお教えください。
追記
2025年9月26日、下記事項を追記しました。
明治2年(1869年)12月25日、東京と横浜を結ぶ線で公衆利用が始まったのが最初。翌1871年には東京–大阪間が開通し、全国に広がっていきました。
ソース:電報– wikipedia
郵政博物館(東京スカイツリータウン)
郵政博物館の公式サイトには、、「郵便・電信・切手の歴史が移り変わっていくさまを表現する“『始』ノ世界”」というゾーンがあり、近代通信の幕開け(郵便・電信・電話)を紹介しているとの記述があります。
日本電信電話公社(電電公社)
明治期の電報は逓信省(のち逓信院 → 通信院)によって運営されていました、1952年の「日本電信電話公社(電電公社)」設立の時、電話と電報の電気通信事業 が公社に移管されました。つまり、このタイミングで電報サービスは「郵政」から「電電公社」に移りました。リンクはNTTグループの歩み。早稲田の合格電報は、日本電信電話公社が扱っていたことになります。
今の時代の電報サービス
電報は今も現役で利用できます。主なサービス提供社と特色は次のとおりです。
・NTT 東日本 / 西日本:D-MAIL(電報申込サイト)
・日本郵便:Webレタックス(電報類似サービス)
・VERY CARD:佐川急便系列など
※NTTの「合格電報」料金は、台紙や文字数を含めると 5千円前後 になるケースもあり、SNS全盛の時代にあっては「高級なメッセージギフト」として位置づけられています。
ちなみに、現代では合格の知らせを LINE や Twitter(X)などのSNS で伝える人も多いでしょう。ただ、「合格電報」には SNSにはない特別感や記念性があり、今も選ばれ続けています。SNSはその一方で、気軽なお祝いの手段として人気を集めています。

昔:合格電報 → 今:大学公式HPやメール
かつて、合格の知らせといえば「サクラサク」の合格電報。受験生や家族にとって春を告げる象徴的な存在でした。
しかし現代では、合否発表は大学の公式ホームページやメールで行われるのが主流です。たとえば早稲田大学では、入試要項に記載された日時に専用システム UCARO で合否を確認する方式を採用し、合格証や手続き書類の郵送も行っていません(ソース:早稲田大学公式ホームページ)。
合格電報は今やレトロな存在かもしれませんが、「サクラサク」という言葉は受験文化の中で今も息づいています。
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