いま！女子大学は全国に約70校
個性ある学びの場として注目されています
女子の高等教育機関として多くの学生に選ばれている「女子大学」。近年は共学化の動きや少子化の影響を受け、志願者が減少する傾向も見られますが、全国には現在も約70の女子大学が存在し、それぞれに個性ある教育を提供しています。
女子大学の学びの特徴、学部・学科から見えてくること
共学化や社会の変化の中でも、女子大学は「女性が安心して学び、自分らしさを伸ばせる場」として、今も独自の存在感を持っています。その特徴は、開設されている学部・学科からもはっきりと見えてきます
（・日本の女子大学一覧）
最も多いのは文学部、女子教育の原点
女子大学で最も多い学部は「文学部」（19大学）。日本語や英語、歴史や文化などを学びながら、ことばや思考力、表現力を磨く場として、長年女子教育を支えています。次いで「看護学部」（14大学）、「家政学部」（13大学）も多く、実践的・生活に根ざした学びが重視されていることがわかります。
文学部を設置する女子大学
リンクから学部学科一覧が分かります（日本の大学）
| ・藤女子大学 | ・京都女子大学 |
| ・群馬県立女子大学 | ・奈良女子大学 |
| ・大妻女子大学 | ・武庫川女子大学 |
| ・日本女子大学 | ・神戸女学院大学 |
| ・白百合女子大学 | ・神戸女子大学 |
| ・実践女子大学 | ・甲南女子大学 |
| ・跡見学園女子大学 | ・ノートルダム清心女子大学 |
| ・聖徳大学 | ・安田女子大学 |
| ・川村学園女子大学 | ・筑紫女学園大学 |
| ・金城学院大学 |
多様化する学問領域、心理・教育・国際も人気
上位には「教育学部」（8大学）や「生活科学部」「国際学部」も並び、子ども・暮らし・世界をテーマにした学びが女子大学で広く展開されています。また「心理学部」「人間科学部」「人文学部」など、人の心や生き方に向き合う学びも豊富です。
学科を見ると“心理学科”がトップ
学科別で最も多かったのは、「心理学科」（20大学）と「看護学科」（20大学）。続く「食物栄養学科」「教育学科」「健康栄養学科」なども含め、人を支える、育てる、癒すといった視点の学科が多く見られます。特に「こども教育学科」「児童学科」「児童教育学科」など、子どもに関わる学科が複数あり、子育て・教育分野への関心と専門性の高さがうかがえます。
心理学科設置大学訪問
聖心女子大学
現代教養学部 心理学科
「認知」「発達」「臨床」という心理学の3つの領域を学び、人間の心や行動を考えます。実際に実験や調査を行ってデータを取る実証的な研究手法を身につけ、人間の心や行動について、科学的な方法で理解する力を養います。
詳細；大学公式ホームページ – 心理学科
十文字学園女子大学
教育人文学部 心理学科
総合的かつ多角的に心理学の知見を深め、自分を理解し、他者の心に寄り添いながら多様化する社会に貢献できる力を身につけます.。
詳細；大学公式ホームページ – 心理学科
女子大学の未来と「デジタル時代の人文学」
生成AIやSNSも学びの対象に、進化する女子大学
女子大学の魅力は、丁寧な指導や実践的な学びに加えて、時代の変化に対応する柔軟さにもあります。近年では、生成AIやSNS、デジタルコンテンツなど、「デジタル時代の学び」を積極的に取り入れる女子大学が増えてきました。
事例
日本女子大学 文学部が2026年に大きくリニューアル
その先駆けの一つが日本女子大学の文学部です。2026年4月、日本文学科は「日本語日本文学科」へ、史学科は「歴史文化学科」へと名称を変更。これにあわせて、「デジタル時代の人文学」**を打ち出しました。この新しい取り組みでは、生成AI,SNSやデジタルコンテンツ,現代の情報社会での表現・発信といったテーマを取り入れつつも、「人間とは何か」「人が語る力・感じる力」など、“デジタルにはない人間の力”の探究を重視しています。詳細：デジタル時代の文学部へ、ようこそ（日本女子大学）
🔍 編集後記
女子大学は減少傾向のなかにありながらも、その存在意義を再定義しながら進化を続ける教育機関です。学部・学科の特徴に加え、生成AIをはじめとした次世代の教育要素を取り入れることで、女性が未来を切り拓く力を育む場として、さらなる注目が集まりそうです。